

院生たちは、秋分まで1階全体に影が落ち、かつ4m以内に収まる角度を算定。窓面のみの日よけとし、シート同士に隙間を設けて設計(シート2.4m×5m、隙間0.6m)。
隙間によって、風通しと景観が確保でき、上部がパラペットと接触していても風が抜けるので、施工も容易となった。
スクリーンの材料は、安価で容易に手に入ることを前提に、農業用遮光シート、寒冷紗、ラッセルシート(塗装用メッシュシート)を候補とし、高橋研究室が遮光性能を測定。メーカー表示85%(計測値75%)の黒の農業用遮光シートを採用。風通しがよく、放熱するので熱源となりにくく、視線も圧迫感が少ない。
セルフビルドを考え、軽くて簡単に止められるロープとシートが主構造となっている。
中央部のたるみ解消のために、シート全体に三角状のテンションをかけるドレープをつくり、風の影響を考慮して側面のハトメを増やして力を分散させ、20㎏コンクリート重石にフックで固定。施工時間の短縮と、台風などの緊急時に素早く回収することを可能としている。施工は、横井研の協力を経て、シート設営と重石づくりを行っている。
農業用遮光シート黒/W3m×L5m×18枚(ドレープをかけるとW2.4m×L5m)
ポリエステルロープ/Φ4mm、L600m(安価、軽量、高耐水)
スプリングフック/内径6mm×60mm80個(重石とロープの接合)
Uボルト/W200mm×H117mm25個(重石の取っ手として)
コンクリートブロック/W300mm×L300mm×H120mm、約25kg(横井研作成)
・使用材料のコストは約6万5000円
・夏季のみの使用の場合、農業用遮光シートの寿命から約3年間使用できる予定。
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